Tag: 組織人材 企業経営理論

組織人材

  1. ホーソン実験
    • 職場の人間関係が労働生産性を向上させる要因となっている(インフォーマル組織、人間関係論)
  2. 人間関係論(社会人モデル)
    1. 個人は孤立した者ではなく集団の一員としての社会的存在である
    2. 単に経済的欲求を満たすためだけでなく、友情や帰属感などの社会的欲求を図ろうとする
  3. 科学的管理法(テイラー)
    1. 万能職長制度
      • 1人の職長がすべての計画、管理、執行を担当する
    2. 職能別職長制度
      • 職長の機能を大きく計画機能と執行機能に分け、職長の仕事を8分野に分類し、それぞれの仕事を職長に分担させる
  4. 4つの管理原則(テイラー)
    1. 課業を設定すること
    2. 標準的な条件を設定すること
    3. 課業を達成した労働者には高い賃金で報いること(差別出来高給制度)
    4. 課業が達成できなかった労働者には低い賃金にすること
  5. 科学的管理法(テイラー)
    1. 経済人モデル
      • 人間は最も合理的な選択をするものと考える人間観のこと(人間は経済的な金銭によって動機づけられる)
    2. 機械人モデル
      • 労働者の人間性を軽視し機械のように扱う人間観のこと
  6. 解凍-変化-再凍結モデル(レヴィンの変革プロセス)
    1. 解凍
      • 変革の必要性を理解させる(変革への抵抗を示す)
    2. 変化
      • 新しい考え方や行動様式を理解させる
    3. 再凍結
      • 組織のメンバーに定着させる
  7. 職務特性モデル
    • 仕事の性質や特性そのものがモチベーションに深くかかわっていると考える理論
    • 仕事自体が面白ければ、モチベーションが高まる
  8. 中核的職務特性
    1. 技能多様性
      • 必要とされる スキルの多様性 。様々なスキルを必要とするほど動機づけが高まる
    2. 完結性
      • 仕事の流れの全体に関与できること。職務として完結しているほど動機づけが高まる
    3. 重要性
      • 仕事の出来栄えが 他の人にとって 重要なこと。 他の人にとって 重要で価値があるほど動機づけが高まる
    4. 自律性
      • 自分で工夫できる裁量が大きいこと。自分で計画し、工夫できる余地があるほど動機づけが高まる
    5. フィードバック
      • 仕事からフィードバックを得られること。成果の情報を直接的に得られるほど動機づけが高まる
  9. X理論・Y理論(D.マグレガー)
    1. X理論
      • 人間は本質的に仕事嫌いで、強制、命令等がなければ働かない(従来の経営管理)
    2. Y理論
      • 本質的に働くことをいとわず、動機づけがなされれば、能動的に自己の目標達成に向けて働く
      • 自主管理、従業員参加制度、能力開発などを含んだ経営管理に変更すべき

組織開発

  1. 人間尊重の価値観
    • 人間は基本的に善で、最適な場を与えると、 自律的・主体的に能力を発揮する
  2. 当事者中心の価値観
    • 階層的な権威や支配にこだわらず、当事者を中心とするという価値観が重視される
  3. 社会的・エコロジカル的システム志向の価値観
    • 組織内だけでなく、組織を取り巻く社会や環境も重視する

組織コミットメント

  1. 情緒的コミットメント
    • 損得勘定ではなく、一体感や愛着といった情緒的なもの
  2. 規範的コミットメント
    • 組織に忠誠をつくすべきとの信念によるもの
  3. 態度的コミットメント
    • 組織の価値や目標を進んで自分に取り入れていくこと
  4. 功利的コミットメント
    • 損得に基づく功利的な判断によるもの
  5. 行動的コミットメント
    • 個人の過去の行動によって、その組織への関与が強まる過程に注目したもの

組織学習

  1. 概要
    • 組織やメンバーが新しい知識を獲得する活動やプロセスのこと、組織能力の向上が目的
    • プロセス
      1. 個人が学習した結果、個人の信念が変化する
      2. 個人の行動が変化する
      3. 組織の行動に影響する
      4. 行動の結果、環境に変化もたらす
    1. 低次学習(シングルループ学習)
      • 既存の枠組みのなかで行う学習
      • 組織がゆっくり進化している時に必要(例:執行部門)
      • 職務を細分化して過程別専門化を進めていくことで、それぞれの組織が別々に組織学習を進めていく形態
    2. 高次学習(ダブルループ学習)
      • 既存の枠組み自体を変革するための学習
      • 組織が革新的に進化する時に必要(例:計画策定部門)
  2. 組織的知識創造プロセス(SECIモデル)
    • 個人の持つ暗黙知を組織的な形式知に変換する
    1. 共同化(Socialization)
      • 個人の持つ暗黙知を、別の個人が、自分の暗黙知として取り込むプロセス
    2. 表出化(Externalization)
      • 個人が持つ暗黙知を、他人に伝わりやすくするため、言語や図表などを使って形式知にするプロセス
    3. 連結化(Combination)
      • 個別の形式知を組み合わせて、新たな形式知を生み出すプロセス
    4. 内面化(Internalization)
      • 個人が形式知を理解し、自分自身のノウハウやスキルとして体得(暗黙知化)するプロセス
  3. 迷信的学習

リーダーシップ

  1. 制度的リーダーシップ
    • 組織に理念を注入するようなリーダーシップ
  2. 三隅二不二のPM理論
    • P機能(目標達成能力)とM機能(集団維持能力)により、(1) PM型、(2) Pm型、(3) pM型、(4) pm型に類型化
    • PM型(P機能、M機能ともに大きい)の生産性が最も高い
  3. コンティンジェンシー理論(フィードラー)
    • リーダーシップの有効なスタイルは、組織の状況がリーダーの行動に影響を与える程度によって異なる
    1. リーダーが統制しやすい状況の場合
      • 仕事中心型の方が、業績が高い(指示や命令が中心)
    2. リーダーが統制しにくい状況の場合
      • 仕事中心型の方が、業績が高い(指示や命令が中心)
    3. 中間的な場合
      • 人間関係中心型の方が、業績が高い(人間関係の配慮が中心)
    • 統制しやすい状況
      • メンバーがリーダーを信頼しており、仕事内容が明確で、リーダーの権限が強いこと
    • LPC(Least preferred coworker)得点
      • LPC得点の高い者:人間関係中心型(人間関係指向的)リーダー
      • LPC得点が低い者:仕事中心型(課業指向的)リーダー(業績を上げることに主たる満足を見いだす)
    • 参考;コンティンジェンシー理論の詳細解説、およびリーダーシップ事例 | 識学総研
      組織がよい成果をあげるためには「環境」や「コンテクスト」に適応した構造になることが必要であるという理論
  4. 組織から公式に与えられる勢力
    1. 合法勢力(正当勢力)
      • 組織から与えられた権限から生じる力
    2. 報酬勢力
      • 報酬を与える能力から生じる力
    3. 強制勢力
      • 従わない場合に罰則を与える能力から生じる力
  5. 個人的努力や資質から生じる勢力
    1. 専門勢力
      • 専門的知識や技術から生じるパワー
    2. 準拠勢力(同一視力)
      • 個人的魅力や一体感から生じるパワー
      • 例:メンバーがリーダーに対して個人的な魅力や一体感を感じている時
  6. パス・ゴール理論(ハウス)
    • リーダーはメンバーに対して目標(ゴール)を示し、それに至る経路(パス)を明確にすることで目標を達成するように導くこと(タスクが曖昧な状況)
    1. 指示型リーダーシップ
      • 課題志向が高く、メンバーに何を期待しているかをはっきり指示し、仕事のスケジュールを設定、仕事の達成方法を具体的に指示する(職場内に深刻な価値コンフリクトが生じている状況)
    2. 支援型リーダーシップ
      • 相互信頼をベースに、メンバーのアイディアを尊重、感情に配慮する(タスクの明確さ、リーダーと部下の権限の差が明確な状況)
    3. 参加型リーダーシップ
      • 決定を下す前にメンバーに相談し、彼らの提案を活用する(部下の能力が高く仕事が高度なほど有効)
    4. 達成志向型リーダーシップ
      • 困難な目標を設定し、メンバーに全力を尽くすよう求める(タスクが構造化されていない時にメンバの期待を高める)
  7. システム4理論(リッカート)
    • 下記4つに分類
      1. 独善的専制型
      2. 温情的専制型
      3. 相談型
      4. 参加型
    • リーダーは部下を支持し、集団的な意思決定を行う参加型が理想
    • 各集団のリーダーは上下の階層を結び付ける「連結ピン」として機能する
  8. リーダーシップ類型論(レヴィン)
    • 下記3つに分類
      1. 専制型リーダーシップ
      2. 民主型リーダーシップ
      3. 放任型リーダーシップ
    • 集団の生産性、成員の満足度、集団の凝集力の点において、民主型リーダーシップが最も望ましい
  9. マネジリアル・グリッド(ブレークとムートン)
    • 「人間に対する関心」と「業績に関する関心」の2軸により、81種類に類型化
    • 9・9型(人間の関心と業績の関心が共に高いタイプ)の業績が最も高い
    • 参考:マネジリアル・グリッド論 – リーダーシップインサイト
      リーダーシップの行動スタイルを「人間に対する関心」「業績に対する関心」という2軸に注目し、それぞれをどの程度関心を持っているか、それぞれの軸を9段階に分ける
  10. オハイオ研究(シャートル)
    • 「構造作り」と「配慮」の2つの軸により類型化
    • 優れたリーダーは双方を高度に行う
  11. 欲求理論(マクレランド)
    1. 達成動機
      • ある一定の標準に対して、達成し成功しようと努力する
    2. 権力動機
      • 他の人々に、何らかの働きかけがなければ起こらない行動をさせたいという欲求
    3. 親和動機
      • 友好的かつ密接な対人関係を結びたいという欲求
  12. リーダー・メンバー交換(LMX)理論
    • リーダーだけがリーダーシップの要因ではなく、メンバーとその関係によって有効性が決まる
    • リーダーとメンバーの繋がりによりメンバーを内集団(in-group:好意的に振舞う)と外集団(out-group:非好意的に振舞う)に分類する
  13. SL(状況)理論
    • Situational Leadership
    • フォロワーの発達度(状況)によってリーダーシップのスタイルを変化させる
    1. 指示型リーダーシップ
    2. 説得型リーダーシップ
    3. 参加型リーダーシップ
    4. 委任型リーダーシップ

モチベーション理論

  1. 内発的動機づけ(デシ)
    • 人は生まれながらに有能感と自己決定への欲求をもっており、モチベーションの重要な源泉となっている
    • 有能感(competence)
      • 自己がおかれている環境に効果的に対処できる能力
    • 自己決定(self-determination)
      • 能力にもとづき、自分の意思で行為を選択すること
  2. フロー心理学(チクセントミハイ)
    • フロー状態
      • 人が極度に集中している、没頭している状態
    • フロー経験
      • 特定の作業に没頭する中で、自分自身や環境を完全に支配できている感覚
      • 活動の過程における成功と失敗が明確であること、活動の目的が難しすぎず易しすぎないこと、活動に本質的な価値があり苦にならないことが必要
  3. コンピテンス(有能性)概念(ホワイト)
    1. 個人が経験・学習を通して獲得した能力を、ある状況下で有効に作用するだろうと考える潜在能力を持つこと
    2. その潜在能力を有効に活用することで自分の有能さを発揮しようと動機づけられること
    • 自己効力感
      • 自分の能力がある環境下で活かされるだろうと考えて意欲が湧く状況
    • コンピテンス
      • 環境に対する適応能力を指す概念
  4. 未成熟・成熟理論(アージリス)
    1. 職務拡大
      • 仕事の範囲を水平的に拡大することで、従業員に成長の実感を与えること
  5. 動機づけ・衛生理論(ハーズバーグ)
    1. 動機づけ要因
      • 職務の内容、職務の達成、達成の評価など、与えられることによって満足度が高まるもの
    2. 衛生要因
      • 不満の予防にしかならない要因のこと(給与、労働条件など)
    3. 職務充実
      • 仕事の計画や判断など責任と権限を拡げること
      • 職務の計画、実施、評価を自分自身で管理できるようになること
    4. 参考:「衛生要因・動機付け要因」とは何ですか?(人事労務Q&A)|人事、採用、労務の情報ならエン人事のミカタ
      不満の要因になる「衛生要因」は、いくら取り除いても、満足感を引き出すことにはつながらず、仕事の満足感を引き出すためには、「動機付け要因」にアプローチしなくてはいけない
  6. 期待理論(ブルーム)
  7. VIE理論
    • 仕事へのモチベーションの強さ
      • =期待×誘意性×道具性
    • 期待(Expectancy)
      • 特定の成果をもたらすであろうという見込み(主観的確率)
    • 誘意性(Valence)
      • 行動の結果がもたらす魅力の度合いや満足度
    • 道具性(Instrumentality)
      • 行動をとることがどれほど役立つか
  8. 目標設定理論
    • 目標に着目して、モチベーションに及ぼす効果を探る理論
    • 明確な目標、難易度の高い目標、早い時期にフィードバックを与えられる方が業績は高い
  9. ビッグファイブ
    • ゴールドバーグ,L.R.が提唱したパーソナリティの特性論
    • 人間が持つさまざまな性格は5つの要素の組み合わせで構成される(特性5因子論)
    1. 神経症傾向
      • 環境刺激やストレッサーに対する敏感さ、不安や緊張の強さ
    2. 外向性
      • 社交性や活動性、積極性
    3. 経験への開放性
      • 知的好奇心の強さ、想像力、新しいものへの親和性
    4. 協調性
      • 利他性や共感性、優しさ
    5. 誠実性
      • 自己統制力や達成への意志、真面目さ、責任感の強さを表す

組織文化

  1. 組織文化
    • 組織メンバーの間で共有された価値や理念、あるいは習慣となった行動パターン
  2. 集団のダイナミクス
    • 集団を構成すると、個人には見られない特性が発生するという集団の行動様式
  3. 集団浅慮(グループシンク、集団思考)
  4. 組織文化理論(キャメロンとクイン)
    1. クラン文化(協調的、自由 x 内的)
      • 支援的リーダーシップ(例:それぞれの価値観を尊重)
    2. アドホクラシー文化(創造的、自由 x 外的)
      • 革新者的リーダーシップ(リスクを進んで取る訳では無い)(例:ベンチャー企業)
    3. ハイアラーキー文化(ヒエラルキー、階層)(統合的、硬直的 x 内的)
      • 規則や手続きの遵守(例:官僚的組織)
    4. マーケット文化(競合的、硬直的 x 外的)
      • 現実主義的リーダーシップ(例:プロセスよりも市場シェア拡大等の結果を重視)
  5. 組織アイデンティティ
    • 組織メンバーにより、自分たちの組織に対して知覚している、中心的、連続的、独自的な属性
      • 中心性:組織アイデンティティが自分たちのアイデンティティに対する最も中心的な答えであること(「我々は何者であるか」に対する答え)
      • 連続性:組織の一環として持続する特徴
      • 独自性:他の組織と区別することができること

戦略的組織変革

  1. 変革の必要性の認識
    • リッチな情報を入手する
  2. 変革案の作成
    • 様々なバックグラウンドを持つ人の知恵を活用する
  3. 変革の実行・定着
    • 抵抗に対処するためのトップ・マネジメントの制度的なリーダーシップを利用する

その他

  1. 自己実現人モデル
  2. コンフリクトの発生要因
    1. 資源の希少性
      • 組織が活用できる資源が不足している場合
    2. 自律性の確保
      • 互いが自立を求めて他者を統制し、自らの管轄下に置きたいと意図した場合
    3. 意図関心の分岐
      • 組織内の作業集団で共通の目標を確立するに至らず、協力関係のコンセンサスが成り立たない場合
  3. ステークホルダー・マネジメント
    1. 交渉
      • 組織間の財・サービスの取引に関する合意を意図した折衝
    2. 包摂
      • 脅威を回避するために、組織に利害関係者の代表を参加させること
    3. 結託
      • 共通目的のために2つ以上の組織が連合すること
  4. スリー・サークル・モデル
    • 事業承継の支援などでファミリービジネス(同族経営)の企業を分析する際に使われるフレームワーク
    • コンフリクトの発生は回避できない為、コンフリクトに向き合って問題の所在を把握し、より良い解決策を見出すために活用するもの
  5. プリンシパル・エージェント関係
    • 行為主体Xが自分の利益のために、労務の提供を別の行為主体Yに委任すること
  6. エージェント問題
    • YがXの利益のために委任されているにもかかわらず、Yの利益を優先するためにXの期待する労務をYが提供しないこと
  7. キャリア・アンカー
    • 個人がキャリアを選択するときに、最も大切で犠牲にすることができない価値観を示す
    • 長期的なキャリア形成においては「どの仕事をしたいのか(what)」よりも「どのように仕事をしたいか(how)」の方が重要と考える
    • キャリアを重ねることで形成されるが、一度形成されると変化しにくく、生涯にわたり重要な意思決定に影響を及ぼす

目次

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用語集


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