Tag: マーチャンダイジング 運営管理

情報

マーチャンダイジング

  1. 定義
    • ターゲット顧客に何をいくらで提供するかを計画し、実行、管理すること
  2. 5つの適正を実現
    1. 商品
    2. 価格
    3. 時期
    4. 数量
    5. 場所
  3. 要素
    1. 品揃え
    2. 仕入れ
    3. 価格設定
    4. 陳列
    5. 販売促進

品揃え

  1. 商品ミックス
    • 品揃えのこと、商品ラインと商品アイテムをどのように揃えるか?
    1. 商品ライン:品種(幅)
    2. 商品アイテム:品目(深さ)
  2. 限定ライン戦略
    1. 専門店
  3. フルライン戦略
    1. 百貨店
    • ワンストップショッピング
    • ストアコンセプト不明確

仕入

  1. 買取仕入
    • 在庫リスク有り
  2. 委託仕入
    • 在庫リスク無し(販売力に依存)
    • 会計処理:販売手数料(粗利益ではない)
  3. 消化仕入(売上仕入)
    • 売上と同時に仕入れる為、買掛金の発生無し、在庫リスク無し
    • 会計処理:販売時に売上と仕入の処理が行われる
    • 売れ残り商品のリスク負担は、メーカーなどの納入業者側
    • 商品の販売時に小売店に所有権が移転する

価格設定

  1. 値入(マークアップ)
    • 小売店で、商品の販売価格を決定すること(コスト志向)
  2. 値入率
    • 仕入れ価格に上乗せする割合のこと
    1. 売価基準
      • 売価値入率 = 値入額 / 売価
      • 売価 = 原価 + 値入額 = 原価 + 売価 x 売価値入率
      • → 売価 = 原価 / (1 - 売価値入率)
    2. 原価基準
      • 原価値入率 = 値入額 / 原価
  3. 値入額
    • 販売価格(売価)から原価を引いた金額のこと(粗利)
  4. ロスリーダー
    • 目玉商品のみ値入率が低い(粗利ミックス)
  5. EDLP政策
    • 全商品の値入率が低い
  6. プライスライン
    • 段階的な価格帯のこと
  7. プライスポイント
    • プライスラインの中で最も売れる価格帯のこと
  8. マーケットプライス法
    • 共通の価格を設定するのではなく、競合他社の価格や、顧客の動向、地域毎の需要、市場の動向などを考慮して価格を個別に設定すること
  9. コストプラス方式
    • 製品の原価に一定の利益を上乗せした価格を設定する
    • 供給者側の事情を優先した価格設定のため、市場の実情と合わない場合がある
  10. 内的参照価格
    • 過去の購買経験などに基づき、消費者の中に設定された基準価格のこと
  11. 端数価格
    • 実際は僅かな価格差でも最初の桁の数字や桁数が変わることで、割安感を増大させる価格設定の手法
  12. 慣習価格
    • 長期間、消費者に親しまれている商品において、一般的に定着した慣習価格に基づいて価格を設定する手法

陳列

  1. 原則
    • 探しやすい
    • 見やすい
    • 選びやすい
    • 手に取りやすい
  2. 分類
    1. 量感陳列
      • ボリューム感で購買意欲を高める(最寄品向け)
    2. 展示陳列
      • テーマを決めて商品を陳列(季節商品、重点商品・買回品向け)
  3. ゴンドラ陳列
    • ゴンドラに商品を並べる陳列(スーパーマーケット等)
  4. エンド陳列
    • ゴンドラエンドで陳列すること
    • マグネットポイントとしての利用、非計画購買の促進
    • 特売品や目玉商品などをボリューム感と共に陳列する為、装飾などのコストはかからない
  5. ジャンブル陳列(投げ込み陳列)
    • カゴの中に商品を大量に投げ込む(単価の安い商品向け)
  6. 島出し陳列
    • 一部を通路側にはみ出して陳列(顧客に注目させる為)
  7. カットケース陳列
    • 商品が入っていた段ボール箱をカットしてそのまま陳列(ディスカウントストアにて利用)
  8. レジ前陳列
    • 衝動買いを促す、高利益率の商品が陳列されることが有る
  9. 集視陳列
    • 特定の商品に注目してもらうための陳列方法
    • 量感陳列をしている中で、一部分だけを展示陳列にするなど、陳列の変化をつけて目立たせる
  10. フック陳列
    • 商品が見やすく、手に取る事も簡単
    • 陳列されている商品の在庫量が分かりやすい

陳列範囲

  1. 有効陳列範囲
    • 顧客の手が届く範囲のこと
    • 高さ60 - 210cmの範囲
  2. ゴールデンゾーン
  3. 陳列方向
    1. 縦割り陳列(バーティカル陳列)
      • グループ間の比較向け(立ち止まったまま商品を探すことが出来る)
    2. 横割り陳列(ホリゾンタル陳列)
      • 同じグループ内の比較向け
  4. フェイシング管理
    • 品目ごとの販売量によって陳列のスペースを決める
    • フェイス数が増えるほど、顧客の目に商品が触れる機会が増えるため、売上は増加する
    • 但し、ある範囲を超えると限界効用逓減の法則により頭打ちになる

ビジュアルマーチャンダイジング

  1. VMD Visual Merchandising
    • 店のコンセプトに基づき、視覚的にマーチャンダイジングを行う

販売促進

  1. インストアマーチャンダイジング (ISM)
    • 客単価を増やす方法を体系化
    • 買い上げ品数の増加、来店回数の増加が期待できる
    • 売場の生産性向上や作業効率の改善により人件費の削減、在庫の削減などが期待できる
  2. 背景
    • 非計画購買が9割を占める為
  3. 客単価
    • = 動線長 x 立寄率 x 視認率 x 買上率 x 買上個数 x 商品単価
  4. ミールソリューション(食事の解決策)
    • 家庭の料理の大変さを解消する方法
    • 店内食材を利用したミールソリューションの実施(商品単価の向上)
  5. インストアプロモーション (ISP)
    • 小売店内で行う販売促進活動
    1. 価格主導型
      • 特売、値引き、クーポン、ポイントカード
      • 価格弾力性の高い商品は、価格プロモーションを中心としたISPが有効
    2. 非価格主導型
      • デモ販売、サンプル配布
      • クロスマーチャンダイジング (CMD):関連商品をまとめて陳列、演出することで顧客一人あたりの販売量を増やす
  6. スペースマネジメント
    • 売場のスペース単位で利益を最大化すること
    1. スペースアロケーション
      • 売場の配置計画
    2. プラノグラム
      • 棚の中の陳列位置やフェイス数を決めること(棚割計画)
    3. ゾーニング
  7. カテゴリーマネジメント
    • カテゴリ毎に品揃え、陳列、販売促進を行う(従来はメーカーや品種単位だった)
    • 顧客視点でカテゴリーを構築して経営管理を行う組織を編成し、戦略的ビジネス単位として運営する
    1. 課題
      • カテゴリ単位の組織運営
      • メーカーや卸との協業が必要
  8. 想起購買
    • 店頭で商品の必要性を思い出す
  9. レシートクーポン
    • 次回の来店時にクーポンの商品を買うという計画購買を促進

商品予算計画

  1. 商品投下資本粗利益率 (GMROI: Gross Margin Return On Inventory Investment, ジーエムロイ)
    • = 粗利益(売上総利益) / 平均在庫高(原価)
    • = 粗利益 / 売上高 x 売上高 / 平均在庫高(原価)
    • = 粗利益率 x 商品投下資本回転率
    • = 粗利益率 x 商品回転率(売価) x 1 / (1 - 売価値入率)
    • (参考:粗利益率 = 粗利益 / 売上高、粗利益 = 売上高 - 売上原価(財務諸表))
    • (参考:ROI (投資評価))
  2. 商品投下資本回転率
    • = 売上高 / 平均在庫高(原価)
    • = 売上高 /(平均在庫高(売価) x (1 - 売価値入率)
    • = 商品回転率(売価) x 1 / (1 - 売価値入率)
    • (売価値入率 = 値入額 / 売価)
  3. 交差比率 (交差主義比率)
    • = 粗利益 / 平均在庫高(売価)
    • = 粗利益 / 売上高 x 売上高 / 平均在庫高(売価)
    • = 粗利益率 x 商品回転率(売価)
    • 計算:GMROIの分母の平均在庫高を「売価」に変更
    • 意味:在庫が儲かっているのかどうかを見る指標、高いほど効率よく利益を生み出している(販売面での生産性を評価)
  4. 商品回転率
    • 売価基準
      • = 売上高 / 平均在庫高(売価)
      • (平均在庫高:期首、期末の在庫高より算出する)
    • 原価基準
      • = 売上原価 / 平均在庫高(原価)
  5. 売上高予算
    • 販売予測(過去の売上傾向より予測)
  6. 在庫高予算
    • 売上高予算を決定した後に、在庫高予算を編成する
    1. 基準在庫法
      • 商品回転率が6以下
      • 月初在庫高予算
      • = 当月売上高予算 + 安全在庫
      • = 当月売上高予算 + 年間平均在庫高 - 月平均売上高
      • = 当月売上高予算 + 年間売上高予算 / 年間予定商品回転率 - 年間売上高予算 / 12
      • (参考:安全在庫:在庫管理 - 資材・在庫管理
    2. 百分率変異法
      • 商品回転率が6以上
      • 月初在庫高予算
      • (年間平均在庫高を元に各月のずれを計算)
      • = 年間平均在庫高 x 1/2(1 + 当月売上高予算 / 月平均売上高)
      • = 年間売上高予算 / 年間予定商品回転率 x 1/2(1 + 当月売上高予算 / 月平均売上高)
  7. 値入高予算
    • 販売価格の決定
    • 上乗せする割合:値入率
  8. 仕入高予算
    • = 売上高予算 + 期末在庫高予算(売価) - 期首在庫売上高予算(売価)

その他

  1. 人時生産性(にんじせいさんせい)
    • = 粗利益 / 総労働時間
    • 従業員1時間あたりの粗利益、数値が高いほど稼ぐ力が強い
  2. 相乗積(利益相乗積計数)
    • = 部門の売上構成比 x 部門の粗利益率
    • = 部門の売上高 / 全体の売上高 x 部門の粗利益 / 部門の売上高
    • = 部門の粗利益 / 全体の売上高
    • 各部門の粗利益の貢献度を表す
      • 相乗積の合計:全体の粗利益率
      • 各部門の相乗積:全体の売上高に対する各部門の粗利益の割合

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用語集


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