Tag: 中小企業経営・中小企業政策 政策の基本と金融サポート

情報

法律

中小企業基本法

  1. 基本理念
    1. 第3条1項
      中小企業については、多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多様な就業の機会を提供し、個人がその能力を発揮しつつ事業を行う機会を提供することにより我が国の経済の基盤を形成しているものであり、特に、多数の中小企業者が創意工夫を活かして経営の向上を図るための事業活動を行うことを通じて、新たな産業を創出し、就業の機会を増大させ、市場における競争を促進し、地域における経済の活性化を促進する等我が国経済の活力の維持及び強化に果たすべき重要な使命を有するものであることにかんがみ、独立した中小企業者の自主的な努力が助長されることを旨とし、その経営の革新及び創業が促進され、その経営基盤が強化され、並びに経済的社会的環境変化への適応が円滑化されることにより、その多様で活力ある成長発展が図られなければならない。
    2. 第3条2項
      中小企業の多様で活力ある成長発展に当たっては、小規模企業が、地域の特色を生かした事業活動を行い、就業の機会を提供するなどして地域における経済の安定並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に寄与するとともに、創造的な事業活動を行い、新たな産業を創出するなどして将来における我が国の経済及び社会の発展に寄与するという重要な意義を有するものであることにかんがみ、独立した小規模企業者の自発的な努力が助長されることを旨としてこれらの事業活動に資する事業環境が整備されることにより、小規模企業の活力が最大限に発揮されなければならない。
  2. 期待される役割
    1. 新たな産業の創出
    2. 就業の機会の増大
    3. 市場における競争の促進
    4. 地域における経済の活性化
  3. 基本方針(第5条)
    1. 中小企業者の経営の革新及び創業の促進並びに創造的な事業活動の促進を図ること。
    2. 中小企業の経営資源の確保の円滑化を図ること、中小企業に関する取引の適正化を図ること等により、中小企業の経営基盤の強化を図ること。
    3. 経済的社会的環境の変化に即応し、中小企業の経営の安定を図ること、事業の転換の円滑化を図ること等により、その変化への適応の円滑化を図ること。
    4. 中小企業に対する資金の供給の円滑化及び中小企業の自己資本の充実を図ること。
  4. 中小企業憲章
    • 5つの基本原則
      1. 経済活力の源泉である中小企業が、その力を思う存分に発揮できるよう支援する
      2. 起業を増やす
      3. 創意工夫で、新しい市場を切り拓く中小企業の挑戦を促す
      4. 公正な市場環境を整える
      5. セーフティネットを整備し、中小企業の安心を確保する
    • 8つの行動指針
      1. 中小企業の立場から経営支援を充実・徹底する
      2. 人材の育成・確保を支援する
      3. 起業・新事業展開のしやすい環境を整える
      4. 海外展開を支援する
      5. 公正な市場環境を整える
      6. 中小企業向けの金融を円滑化する
      7. 地域及び社会に貢献できるよう体制を整備する
      8. 中小企業への影響を考慮し政策を総合的に進め、政策評価に中小企業の声を生かす
  5. 小規模企業者に対する施策(第8条)
    1. 小規模企業が地域における経済の安定並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に寄与するという重要な意義を有することを踏まえ、適切かつ十分な経営資源の確保を通じて地域における小規模企業の持続的な事業活動を可能とするとともに、地域の多様な主体との連携の推進によって地域における多様な需要に応じた事業活動の活性化を図ること。
    2. 小規模企業が将来における我が国の経済及び社会の発展に寄与するという重要な意義を有することを踏まえ、小規模企業がその成長発展を図るに当たり、その状況に応じ、着実な成長発展を実現するための適切な支援を受けられるよう必要な環境の整備を図ること。
    3. 経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業者の事情を踏まえ、小規模企業の経営の発達及び改善に努めるとともに、金融、税制、情報の提供その他の事項について、小規模企業の経営の状況に応じ、必要な考慮を払うこと。
  6. 制定(1963年)
    • 政策理念
      • 中小企業と大企業との間の生産性・賃金などに存在する「諸格差の是正」の解消を図ること(二重構造の格差是正)
    • 目標
      1. 生産性の向上
      2. 取引条件の向上
  7. 抜本的改正(1999年)
    • (上記の「期待される役割」を参照)
    • 政策理念
      • 多様で活力ある中小企業の成長発展
    • 政策
      1. 経営の革新及び創業の促進
      2. 経営基盤の強化
      3. 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化

小規模企業活性化法

  1. 中小企業基本法/基本理念(第3条第2項)
    • 小規模企業の存在意義とその活力の最大限の発揮について規定された。
  2. 中小企業基本法(第8条)
    • 「小規模企業への配慮」から「小規模企業に対する中小企業施策の方針」へ改定された。
  3. 宿泊業・娯楽業
    • 従業員20人以下の事業者は小規模企業に含まれるように変わった。(マル経融資や小規模企業共済制度が利用可能になった)
  4. 情報:中小企業庁:小規模企業活性化法が本日施行されました
    2.法律改正の概要
    (1)中小企業基本法の改正
    (2)中小企業信用保険法、小規模企業共済法、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の改正
    (3)中小企業信用保険法の改正
    (4)中小企業支援法の改正
    (5)下請中小企業振興法の改正
    (6)株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の改正
    (7)小規模企業者等設備導入資金助成法の廃止

小規模企業振興基本法(小規模基本法)

  1. 基本原則
    1. 成長発展
      • 中小企業基本法の基本理念
    2. 事業の持続的発展
      • 技術やノウハウの向上、安定的な雇用の維持
  2. 基本的施策
    1. 多様な需要に応じた商品・サービスの販路拡大、新事業展開の促進
    2. 経営資源の有効な活用および個人の能力の発揮の促進
    3. 地域経済の活性化に資する事業の推進
    4. 適切な支援体制の整備

小規模支援法

中小企業経営力強化支援法

中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律(中小ものづくり高度化法)

小規模事業者支援法

中小企業地域資源活用促進法

政策実施機関

中小企業基盤整備機構

商工3団体

  1. 商工会
  2. 商工会会議所
  3. 中小企業団体中央会

中小企業投資育成株式会社

地域プラットフォーム

事業承継センタ

事業引継ぎ支援センタ

認定経営革新等支援機関

中小企業支援機関

金融サポート

  1. 日本政策金融公庫
    • 政府出資の金融機関
      1. 中小企業事業
      2. 国民生活事業
      3. 農林水産事業
    • 一般貸付
      • 限度額:4,800万円
      • 貸付期間:設備資金10年以内、運転資金5年以内
    • 特別貸付
      • 政策のテーマ別に貸付限度額や利率が決定される(創業、経営革新、連携、環境対策、IT支援、再生支援、セーフティネット等)
  2. 商工組合中央金庫(商工中金)
    • 共同出資
  3. 地方銀行
    • 一般社団法人全国地方銀行協会の会員である銀行
  4. 第二地方銀行
    • 一般社団法人第二地方銀行協会の会員である銀行
  5. 信用金庫
    • 営業地域は限定
  6. 信用組合
    • 組合員以外の預金の受入が全体の20%以内に制限されている(信用金庫との違い)
  7. 信用保証制度
    • 実施機関
      • 信用保証協会(中小企業の資金調達を円滑にすることを目的に、信用保証協会法に基づき設置された認可法人で全国に51ヵ所)
    • 条件
      • 信用保証を得るためには、中小企業の経営状態に応じた保証料を信用保証協会に支払う
    • 保証限度額
      • 普通保証:2億円
      • 無担保保証:8000万円
      • 無担保無保証人:2000万円(一定の要件あり)
  8. 信用保険
    • 信用保証協会が代位弁済した場合に、日本政策金融公庫が代位弁済した金額の70~90%を保険金として支払うもの
  9. セーフティネット保証制度
    • 制度
      • 一般保証とは別枠で保証を付与する
    • 保証限度額
      • 一般保証限度額と同額(上記参照)
    • 条件
      • 保証を受けるためには、本店所在地の 市町村長 の認定を受ける必要あり
  10. セーフティネット貸付制度
    • 制度
      • 日本政策金融公庫が融資する
    • 融資
      1. 経営環境変化対応資金
      2. 緊急環境変化対応資金
      3. 取引企業倒産対応資金
  11. 流動資産担保融資保証制度(ABL保証制度 / Asset Based Lending)
    • 制度
      • 売掛債権や棚卸資産などの流動資産を担保に融資する
    • 実施機関
      • 信用保証協会
    • 保証額
      • 保証割合80%の部分保証(融資限度額が2億5千万円、保証限度額は2億円)
  12. 中小企業経営力強化資金融資制度
    • 実施
      • 日本政策金融公庫
    • 対象者
      1. 経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により、市場の創出・開拓を行う者で、自ら事業計画書を策定し認定支援機関による指導および助言を受けている者
      2. 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用し、事業計画を策定する者
    • 対象資金
      • 設備資金および運転資金
    • 貸付限度
      • 中小企業事業:7億2,000万円(運転資金は2億5,000万円)
      • 国民生活事業:7,200万円(運転資金は4,800万円)
    • 貸付利率
      • 基準利率(特別利率あり)
    • 貸付期間
      • 設備資金:20年以内
      • 運転資金:7年以内
  13. 経営者保証に関するガイドライン
    • 中小企業、経営者、金融機関共通の自主的なルール
    1. 法人と個人が明確に分離されている場合等に、経営者の個人保証を求めないこと
    2. 多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等(従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円~360万円)を残すことや、「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること
    3. 保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること
    • 事例:守るべきは企業より人 ホンダ下請け工場の「名誉ある退出」:日経ビジネス電子版 (2022/9/30)
      全国銀行協会などは「経営者保証に関するガイドライン」を策定し、会社の資産と経営者の資産を切り離す自主ルールを示し、金融機関に保証債務の免除などを促している。
    • 二重徴求
      • 事業承継時(代表者交代時)の経営者保証の徴求にて、旧経営者の保証を残しつつ、新経営者(後継者)からも保証を徴求すること
      • 新経営者(後継者)が保証提供するケースは、所謂「二重徴求」を含めて、全体で60%弱

政府系金融機関

財務サポート

  1. 法人税の軽減税率
    • 対象者
      • 資本金又は出資金の額が1億円以下の法人等
    • 税率
      • 800万円を超える部分:23.2%
      • 800万円以下:15.0%(本則では19%)
  2. 青色申告制度
    1. 青色申告特別控除
      • 最高で65万円の所得控除
    2. 青色事業専従者給与控除
      • 給与を経費に算入可能
  3. 中小企業投資促進税制
    • 設備投資の税額を控除可能
    • 対象者
      • 資本金1億円以下の法人、青色申告を行う個人事業者、農業協同組合
    • 対象設備
      • 機械装置(取得価額160万円以上)、一定のソフトウェア、普通貨物自動車、内航船舶
    • 控除
      • 取得価額の7%の税額控除、または取得価額の30%の特別償却
  4. 欠損金の繰越
    • 当期の黒字と前期の赤字を相殺可能(最大10年間)
  5. 交際費課税の緩和
    • 交際費を損金に算入可能(資本金1億円以下)
      • 接待飲食費の額の50%相当額
      • 年間800万円までの交際費の全額
  6. エンジェル税制
    • 対象: 設立5年未満 の中小企業向け(試験研究費割合の要件あり)
    • 条件:外部(特定の株主グループ以外)からの投資を1/6 以上取り入れていること
    • 利点:ベンチャー企業に投資・株式売却する個人投資家に課税上の優遇措置あり
    1. 優遇措置A(所得税の控除)
      • 要件:創業から5年未満の企業(設立経過年数によって試験研究費割合などの要件あり)
    2. 優遇措置B(株式譲渡益の控除)
      • 要件:創業から10年未満の企業(設立経過年数によって試験研究費割合などの要件あり)
      • その年に清算しきれない損失がある場合、翌年以降3年間繰り越して、株式譲渡益から控除することが可能
  7. 人材確保等促進税制
    • 適用対象
      • 青色申告書を提出する全企業
    • 通常要件
      • 条件:新規雇用者給与等支給額が、前年度より2%以上増えていること
      • 税額控除:控除対象新規雇用者給与等支給額の15%を法人税額又は所得税額から控除
    • 上乗せ要件
      • 条件:教育訓練費の額が、前年度より20%以上増えていること
      • 税額控除:控除対象新規雇用者給与等支給額の20%を法人税額又は所得税額から控除
  8. 所得
    • 税務上では、益金から損金を引いたものを利益ではなく「所得」と呼ぶ
  9. 少額減価償却資産の特例

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