Tag: 運営管理

情報

資材管理

  1. 機能
    1. 資材計画
      • いつどれだけの資材が必要になるか計画すること
    2. 在庫管理
      • 適正在庫を維持すること
    3. 購買管理
      • 資材を調達すること
    4. 外注管理
      • 外部の生産力を活用すること
    5. 倉庫管理
      • 保管や入出庫を効率的に行うこと
    6. 運搬管理
      • 資材の運搬や機器を管理すること

資材計画

  1. 概要
    • 生産計画から必要な資材の品質、数量、コスト、時期を決める
  2. 資材標準化
    • 扱う資材の種類を削減する為、規格を決めて標準資材とする
    • 対象外:購入先の選定
  3. 処理の流れ
    1. 資材使用状況の調査
    2. 標準資材の検討
    3. 標準資材の決定
    4. 資材規格の決定(品質など)
    5. 管理・運用方法の決定
  4. メリット
    • コスト削減、在庫削減、短納期、品質向上
  5. デメリット
    • 市場変化や新技術への対応が遅れる、設計に制約が生じる

MRP (Material Requirement Planning)

  1. 独立需要品目
    • 最終製品や個別に提供されるパーツなど、受注または需要予測に基づいて時期や量が決定されるもの
    • 受注または需要予測に基づいて時期や量が決まる
  2. 従属需要品目
    • 製品を構成する部品など、上位の品目や独立需要品目の需要から時期や量が決まる
  3. 前提
    1. 基準生産計画 (MPS)
      • 製品の生産計画のこと(MPS: Master Production Schedule)
      • MRPは独立需要品目の生産計画を基準生産計画として与え、従属需要品目の所要量と時期を計算するための仕組み
    2. 部品表 (BOM)
      1. ストラクチャ型:階層で表現、中間部品が明確に分かるが、管理の手間がかかる
      2. サマリ型:リストで表現、手間は省けるが、中間部品が不明確
  4. 手順
    1. 総所要量計算
      • 基準生産計画と部品表を元に、必要になる部品の総所要量を計算する
    2. 正味所要量計算
      • 手持ち在庫と発注残を除いた正味所要量を算出する
    3. ロットまとめ
      • 発注コストを抑えるため、一定の規模の所要量をロットとしてまとめる
    4. 先行計算
      • 部品のリードタイム情報を基に、購買と生産の計画オーダーを作成する
    5. 出力
      • どの資材をいつどれだけ注文するか計画オーダを出す
  5. タイムフェイズ
    • 小期間に区切ること
  6. タイムバケット
    • タイムフェイズで区切られた小期間のこと。部品展開や総所要量計算の単位になる。

在庫管理

  1. 過剰時の問題
    • 運転資金大、在庫費用、保管スペース、不良在庫、市場変化への柔軟性低下
  2. 過小時の問題
    • 機会損失、納期長期化、緊急調達時のコスト発生
  3. 定量発注方式 (発注量は固定)
    • 発注量 = 調達リードタイム x 1日平均需要量 + 安全在庫
      • メリット:管理が容易で自動化しやすい→需要が安定し単価が安価な品目向き
      • デメリット:需要変動の対応が困難(在庫切れのリスク)
    • 発注点:発注する時の在庫量
    • 安全在庫
    • 経済的発注量 (EOQ: Economic Order Quantity)
      • = (2 x 1回あたりの発注費用 x 年間需要量 / 1個あたりの年間在庫維持費用)^(1/2)
      • 意味:発注処理の費用と、在庫の保管費用を合計した総費用が最も少なくなる発注量
    • 年間の発注費用 = 1回あたりの発注費用 x 年間の需要量 / 1回の発注量
    • 年間の在庫維持費用 = 1回の発注量 / 2 x 1個あたりの年間在庫維持費用
    • 1個あたりの年間在庫維持費用 = 在庫の単価 x 在庫の保管費用率
    • 参考:保管費率( Carrying Cost % ) - ものづくりドットコム
      物流倉庫の在庫ですが、実は「保管費」と呼ばれるコストが別にかかっています。これは以下のものがあげられます。
  4. 定期発注方式
    • 期間で発注する方法(発注量は可変)
    • 発注量 = 在庫調整期間の需要予測量 - 現在の在庫量 - 発注残 + 安全在庫
    • メリット:需要変動に対応可能
    • デメリット:管理が複雑で手間がかかる→単価が高く在庫調整の必要が高い品目向き
      • 在庫調整期間(1回の発注量で賄う期間) = 発注サイクル + 調達リードタイム
  5. ダブルビン方式
    • 片方の容器が空なら発注する方法
    • メリット:管理が容易→単価が安いものに向く
    • デメリット:運用がルーズになりやすい
  6. 見越在庫
    • 事前に予測できる変動への備えとしての在庫
    • 例:季節変動で需要が増える時期に、生産能力が追いつかないので予め在庫を溜めておく(季節在庫)
  7. ロットサイズ在庫
    • 1回の補充にて経済的理由から量をまとめることによって発生する在庫
    • コストメリットが生じる一方で在庫が増えるデメリットあり
  8. 有効在庫
    • 手持在庫に加えて、引当済みの量(引当量)と発注残を考慮した実質的な在庫量
    • = 手持在庫 - 在庫引当量 + 発注残
      • 手持在庫:現物が手元にある
      • 在庫引当量:注文に対して割当済みの在庫
      • 発注残:発注済みだがまだ手元に無い
  9. エシェロン在庫(階層在庫)
    • 多段階で在庫がある場合、対象とする在庫点とその下流に有る在庫の合計
    • 例:メーカー → 物流センタ → 配送センタ → 小売在庫
  10. サイクル在庫
    • 次の納入までの平均的需要に対応する在庫
  11. 理論在庫(帳簿在庫)
    • 売上報告書、仕入れ伝票、営業報告書等を元に記録された入出庫情報による帳簿上の理論的な在庫
  12. カムアップ

ABC分析

  1. 在庫の品目を、在庫金額などの基準によって、ABCに分類して適切な管理方法を選択すること
    • パレート図で重要度を判別
  2. Aグループ
    • 重点管理が必要な為、定期発注方式を利用
  3. Bグループ
    • 定量発注方式が基本、単価が高いものは定期発注方式
  4. Cグループ
    • ダブルビン方式

購買管理

  1. 5原則
    1. 取引先
    2. 品質
    3. 数量
    4. 納期
    5. 価格
  2. 定期購買
  3. 定量購買
  4. 当用買
    • 必要な都度購入する(ため、単価や納期が不安定)
  5. 長期契約
    • 単価の引き下げが期待でき、納期も安定する
  6. コック倉庫方式
    • 必要なときに必要なだけ資材等を調達する簡易購買方式のこと
    • 自社倉庫に購買品を預かり、「使用した分量=購買量」として支払う

価格契約

  1. 競争入札
    • メリット:競争原理により低価格
    • デメリット:品質や納期が不適切な業者を選定するリスク
  2. 見積合わせ
    • メリット:複数企業から見積りを取り、条件を比較した上で最適な企業を選択
    • デメリット:適切な企業を選定可能な為、よく使われる
  3. 随意契約
    • メリット:都度契約(特殊品向け)
    • デメリット:競争原理が機能しない為、高単価になりやすい

外注管理

  1. 目的
    • 生産活動を補完(低コスト、生産力(需要変動を吸収)、専門技術)
  2. 内外製区分
    • 何を外注して何を外注しないかを決めること(QCDや稼働率、生産設備、専門技術等を考慮)
  3. アウトソーシング
    • 外部の企業の経営資源やノウハウを活用すること
    1. ファブレス
    2. OEM
    3. ファウンドリー
    4. EMS
  4. 取引関係
    1. 委託図方式
      • 主に自動車業界における、外部調達部品の開発方式の一つ。完成品メーカーが基本仕様を提示し、基本仕様に基づいて部品メーカーが部品を開発、設計図を作成し、完成品メーカーの承認を受け、部品を製造する方式のこと。設計図面の所有権が完成品メーカー側にある。
    2. 承認図方式
      • 委託図方式と同様の部品開発・製造方式だが、設計図面の所有権が部品メーカー側にある。(委託図方式との違い)
    3. 貸与図方式
      • 完成品メーカーが設計・開発を担当し、部品メーカーに対しては設計図面を与えて製造させる方式。
      • 完成品メーカーがほとんどの開発作業を行うため、設計能力は完成品メーカーに集中する。
    4. デザインイン
      • 部品メーカーが、完成品メーカーに設計の協力をして共同開発を行い、その際に当該部品メーカーが自社部品を完成品メーカーの新製品に使用するように働きかけるという経営戦略のこと。
      • 設計開発の早い段階から、部品メーカーが完成品メーカーに対し技術提供で働きかけをすることにより、競合他社に入り込まれることなく新製品に自社部品を使ってもらえる、という狙いが背景にある。
      • 関連:デザイン・インとは・意味|創造と変革のMBA グロービス経営大学院
        デザイン・インとは、顧客製品の仕様が固まる前の設計段階において、自社製品の採用を促進する営業活動。

目次

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用語集


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