Tag: キャッシュフロー計算書 企業経営理論

情報

概要

  1. 対象
    1. 現金
      • 手許現金、当座預金、普通預金
      • コメント:当座預金や普通預金は「現金」であり「現金同等物」ではない
    2. 現金同等物
      • 定期預金、譲渡性預金、コマーシャルペーパーにて満期3ヶ月以内のもの
      • コメント:価値の変動リスクが有るものは現金同等物には含まれない
  2. 譲渡性預金
    • 銀行が無記名の証書を発行することで譲渡が可能となっている定期預金のこと
  3. コマーシャル・ペーパー
    • 短期かつ無担保の約束手形

営業CF

直接法

  1. 営業収入
    • =「売上高」 - 「売上債権増加高」 - 「当期貸倒高」
      • 考え方:売上からキャッシュを回収できていないものを控除する
    • 「当期貸倒高」 = -「貸倒引当金増加額」 + 「貸倒引当金繰入額」 + 「貸倒損失」
      1. 貸倒引当金増加額:貸借対照表より( 貸倒引当金増加額 = 当期末貸倒引当金- 前期末貸倒引当金。いきなりマイナス計上だが、「貸倒引当金繰入額」を含めた関係を図で示すと分かりやすい。要するに、純粋な今期分ということ)
      2. 貸倒損失:損益計算書より
      • コメント:引当金のマイナスと、損失のマイナスは出処が別なので合算する必要がある
  2. 原材料または商品の仕入支出
    • = -「売上原価」 - 「棚卸資産増加額」 + 「仕入債務増加額」
    • 売上原価:仕入れによりキャッシュが減るのでマイナス計算
    • 棚卸資産増加額:在庫が増えてキャッシュが減るのでマイナス計算(関連:棚卸資産
    • 仕入債務増加額:現金払いを行わずキャッシュが残るのでプラス計算(関連:仕入債務 - 財務諸表
  3. 人件費支出
    • = -「人件費支出項目」 + 「未払給料増加高」 - 「前払給料増加高」
    • 未払いの場合、まだお金を払っていないのでキャッシュはプラスになる
  4. その他の営業支出
    • = - 営業費関連項目 + 未払営業費等増加額 - 前払営業費用等増加額

間接法

  1. 非資金項目
    • 考え方:キャッシュの動きが無いものについて、PL上のマイナス分をプラスして元に戻す
    1. 減価償却費
    2. 貸倒引当金の増加額
      • 当期の貸借対照表にて、前期分からの差分を差し引く
  2. 営業活動以外の損益
    • 考え方:損益計算書の営業利益から元に戻す
    1. 受取利息及び受取配当金:キャッシュの増加分を元に戻すのでマイナス計算
    2. 支払利息:キャッシュの減少分を元に戻すのでプラス計算
    3. 有形固定資産売却益:下記参照
  3. 営業活動の資産・負債
    • 資産増加:キャッシュマイナス
    • 負債増加:キャッシュプラス
    1. 売上債権の増加:マイナス計算(売上債権が増える→キャッシュは未回収→キャッシュが減る)
    2. 棚卸資産の増加:マイナス計算(資産が増える→現金支払も増える→キャッシュが減る)
    3. 仕入債務の増加:プラス計算(債務が増える→現金支払が減る→キャッシュが増える)
  4. 営業関連の調整
    • 営業に関連するものが対象(利息は営業外損益なので対象外)
    1. 経過勘定(前払費用、未収収益、前受収益、未払費用)(関連:簿記の基礎知識
    2. 前受金(資産増加ならマイナス計算)

小計以降

  1. 利息及び配当金受取額
    • =「受取利息及び受取配当金」 + 「前受利息増加額」 - 「未収利息増加額」
    • 受取はキャッシュが増えるのでプラス計算、未収はキャッシュが入らないのでマイナス計算
  2. 利息の支払額
    • = -「支払利息」 - 「前払利息増加額」 +「未払利息増加額」
    • 支払はキャッシュが減るのでマイナス計算、未払はキャッシュが残るのでプラス計算
  3. 法人税等の支払額
    • = -「法人税等」+「未払法人税等増加額」
    • 支払はキャッシュが減るのでにマイナス計算、未払はキャッシュが残るのでプラス計算

投資CF

  1. 有価証券
    1. 取得による支出:マイナス計算
    2. 売却による収入:プラス計算
    • 当期売却額を求め、仕訳から有価証券売却益・売却損を考慮する
  2. 有形固定資産
    1. 取得による支出:マイナス計算
    2. 売却による収入:プラス計算
    • 売却収入(売却損有) =「有形固定資産」-「減価償却累計額」-「減価償却費」-「有形固定資産売却損」
    • 売却収入(売却益有) =「有形固定資産」-「減価償却累計額」-「減価償却費」+「有形固定資産売却益」
      • 有形固定資産:簿価として、前期と今期のBSの差分より求める
      • 減価償却累計額:間接法の場合のみ必要(簿記の基礎知識)であり、上記同様に前期と今期のBSの差分より求める
    • コメント:この関係は仕訳で考えると分かりやすい。借方の「現金」を計算することで「有形固定資産の売却による収入」を求めれば良い。
      • 取得時:借方:有形固定資産、貸方:現金
      • 売却時(売却損有):借方:現金、減価償却累計額、減価償却費、有形固定資産売却損、貸方:有形固定資産
      • 売却時(売却益有):借方:現金、減価償却累計額、減価償却費、貸方:有形固定資産、有形固定資産売却益
  3. 投資有価証券
    1. 取得による支出:マイナス計算
    2. 売却による収入:プラス計算
  4. 貸付金
    1. 貸付による支出:マイナス計算
    2. 回収による収入:プラス計算
  5. 配当金の支払額

財務CF

  1. 短期借入金
    1. 借入による収入:プラス計算
    2. 返済による支出:マイナス計算
    • 借入額や返済額は、前期と当期の貸借対照表より算出出来る。他の項目も同様。
    • 支出なので「プラス」と考えてはいけない。あくまでもキャッシュの動きを考えるので支出は「マイナス」として計算する。
  2. 長期借入金
    1. 借入による収入:プラス計算
    2. 返済による支出:マイナス計算
  3. 社債
    1. 発行による収入:プラス計算
    2. 償還による支出:マイナス計算
  4. 株式
    1. 発行による収入:プラス計算
      • = 資本金 + 資本準備金
    2. 自己株式の取得による支出
      • = 自己株式を取得する際の支払い金額
    3. 配当支払による支出:マイナス計算

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