#author("2025-03-03T20:52:09+00:00","default:hotate","hotate") #author("2025-03-10T11:21:45+00:00","default:hotate","hotate") #contents &tag(財務・会計); - B [[財務・会計]] * 情報 [#lf91b468] + [[キャッシュフロー計算書の作成 | よくわかる!キャッシュフロー計算>https://vision-cash.com/cf/category/cal/]] + [[儲けた利益はどこへ消えたか? 3つのキャッシュフローで把握:日経ビジネス電子版>https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19nv/120500136/070401069/]] 毎月の損益計算書(P/L)では利益の増減は分かっても、お金の流れは分かりません。 売り上げが上がっていても入金は来月だったり、資産を購入しても全部は費用にできなかったり、仕入れをしてお金を払っても在庫として計上しなければいけなかったりと、「利益の増減」と「お金の増減」は、必ずズレるからです。 ** 概要 [#c84e3cf3] + 対象 ++ 現金 --- 手許現金、当座預金、普通預金 --- コメント:当座預金や普通預金は「現金」であり「現金同等物」ではない ++ 現金同等物 --- 定期預金、譲渡性預金、コマーシャルペーパーにて満期 ''3ヶ月以内'' のもの --- コメント:価値の変動リスクが有るものは現金同等物には含まれない + 譲渡性預金 -- 銀行が無記名の証書を発行することで譲渡が可能となっている定期預金のこと + コマーシャル・ペーパー -- 短期かつ無担保の約束手形 ** 営業CF [#eaee72eb] *** 直接法 [#y6aeae09] - 作成の手間がかかる(損益計算書を上から調整していく) + ''営業収入'' -- =「売上高」 - 「売上債権増加高」 - 「当期貸倒高」 --- 考え方:売上からキャッシュを回収できていないものを控除する -- 「当期貸倒高」 = -「貸倒引当金増加額」 + 「貸倒引当金繰入額」 + 「貸倒損失」 +++ 貸倒引当金増加額:貸借対照表より( 貸倒引当金増加額 = 当期末貸倒引当金- 前期末貸倒引当金。いきなりマイナス計上だが、「貸倒引当金繰入額」を含めた関係を図で示すと分かりやすい。要するに、純粋な今期分ということ) +++ 貸倒損失:損益計算書より --- コメント:引当金のマイナスと、損失のマイナスは出処が別なので合算する必要がある + ''原材料または商品の仕入支出'' -- = -「売上原価」 - 「棚卸資産増加額」 + 「仕入債務増加額」 -- 売上原価:仕入れによりキャッシュが減るのでマイナス計算 -- 棚卸資産増加額:在庫が増えてキャッシュが減るのでマイナス計算(関連:[[棚卸資産>簿記の基礎知識#zb05cdc1]]) -- 仕入債務増加額:現金払いを行わずキャッシュが残るのでプラス計算(関連:[[仕入債務 - 財務諸表>財務諸表#hfb70474]]) -- コメント:表記上は「...の減少額」と記載されていても考慮不要。キャッシュ増減のプラスマイナスのみを考えれば良い。 + 人件費支出 -- = -「人件費支出項目」 + 「未払給料増加高」 - 「前払給料増加高」 -- 未払いの場合、まだお金を払っていないのでキャッシュはプラスになる + その他の営業支出 -- = - 営業費関連項目 + 未払営業費等増加額 - 前払営業費用等増加額 *** 間接法 [#qa7e8b75] - 税引前当期純利益より差異を計算する(損益計算書を下から調整していく) -- 実務で使われるケースが多い + 非資金項目 -- 考え方:キャッシュの動きが無いものについて、PL上のマイナス分をプラスして元に戻す ++ 減価償却費 ++ 貸倒引当金の増加額 --- 当期の貸借対照表にて、前期分からの差分を差し引く + 営業活動以外の損益 -- 考え方:損益計算書の営業利益から元に戻す ++ 受取利息及び受取配当金:キャッシュの増加分を元に戻すのでマイナス計算 ++ 支払利息:キャッシュの減少分を元に戻すのでプラス計算 ++ 有形固定資産売却益:投資CF(下記)で算出する為、除外しておく + 営業活動の資産・負債 -- ''資産増加:キャッシュマイナス'' -- ''負債増加:キャッシュプラス'' ++ 売上債権の増加:マイナス計算(売上債権が増える→キャッシュは未回収→キャッシュが減る) ++ 棚卸資産の増加:マイナス計算(資産が増える→現金支払も増える→キャッシュが減る) ++ 仕入債務の増加:プラス計算(債務が増える→現金支払が減る→キャッシュが増える) + 営業関連の調整 -- 営業に関連するものが対象(利息は営業外損益なので対象外) ++ 経過勘定(前払費用、未収収益、前受収益、未払費用)(関連:[[簿記の基礎知識>簿記の基礎知識#g5a38a66]]) ++ 前受金(資産増加ならマイナス計算) --- 参考:[[前受金とは何か?~手付金(内金)を受け取ったときの仕訳~>https://freeway-keiri.com/blog/view/188]] 商品の仕入れや販売の際に、商品代金の一部を先に支払ったり受け取ったりすることがあります。このお金を「手付金(内金)」と言います。この手付金を受け取ったときの仕訳では、「前受金」という勘定科目を使います。 + 参考:[[キャッシュフロー計算書の作り方!直接法と間接法どちらが良い? | クラウド会計ソフト マネーフォワード>https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/249/#i-7]] 1. キャッシュフロー計算書を作る基本のステップ 2. 損益計算書から税引前当期純利益の額をもってくる 3. 非資金損益項目を調整する 4. 営業外収益と営業外費用、特別利益と特別損失を調整する 5. 営業活動に関わる項目を調整する *** 小計以降 [#ub47e83a] - 意味:[[キャッシュ・フロー計算書の小計欄の意味 | 出る杭はもっと出ろ!>https://derukui.com/2011/05/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%BC%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E5%B0%8F%E8%A8%88%E6%AC%84%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3/]] 便宜的に営業活動によるキャッシュ・フローの区分に小計欄というものを設けて小計欄の下を行き場のない項目の計上場所としたといえます + 利息及び配当金受取額 -- =「受取利息及び受取配当金」 + 「前受利息増加額」 - 「未収利息増加額」 -- 受取はキャッシュが増えるのでプラス計算、未収はキャッシュが入らないのでマイナス計算 + 利息の支払額 -- = -「支払利息」 - 「前払利息増加額」 +「未払利息増加額」 -- 支払はキャッシュが減るのでマイナス計算、未払はキャッシュが残るのでプラス計算 + 法人税等の支払額 -- = -「法人税等」+「未払法人税等増加額」 -- 支払はキャッシュが減るのでにマイナス計算、未払はキャッシュが残るのでプラス計算 ** 投資CF [#r7403087] - 投資活動は、営業活動で得たキャッシュを元に設備投資したり、関係会社へ投資すること + 有価証券 ++ 取得による支出:マイナス計算 ++ 売却による収入:プラス計算 -- 当期売却額を求め、仕訳から有価証券売却益・売却損を考慮する + ''有形固定資産'' ++ 取得による支出:マイナス計算 ++ 売却による収入:プラス計算 -- 売却収入(売却損有) =「有形固定資産」-「減価償却累計額」-「減価償却費」-「有形固定資産売却損」 -- 売却収入(売却益有) =「有形固定資産」-「減価償却累計額」-「減価償却費」+「有形固定資産売却益」 --- 有形固定資産:簿価として、前期と今期のBSの差分より求める --- 減価償却累計額:間接法の場合のみ必要([[簿記の基礎知識>簿記の基礎知識#u898e13b]])であり、上記同様に前期と今期のBSの差分より求める -- コメント:この関係は仕訳で考えると分かりやすい。借方の「現金」を計算することで「有形固定資産の売却による収入」を求めれば良い。 --- 取得時:借方:有形固定資産、貸方:現金 --- 売却時(売却損有):借方:現金、減価償却累計額、減価償却費、有形固定資産売却損、貸方:有形固定資産 --- 売却時(売却益有):借方:現金、減価償却累計額、減価償却費、貸方:有形固定資産、有形固定資産売却益 + 投資有価証券 ++ 取得による支出:マイナス計算 ++ 売却による収入:プラス計算 + 貸付金 ++ 貸付による支出:マイナス計算 ++ 回収による収入:プラス計算 + 配当金の支払額 ** 財務CF [#c6140598] - 資金の調達・返済 + 短期借入金 ++ 借入による収入:プラス計算 ++ 返済による支出:マイナス計算 -- 借入額や返済額は、前期と当期の貸借対照表より算出出来る。他の項目も同様。 -- 支出なので「プラス」と考えてはいけない。あくまでもキャッシュの動きを考えるので支出は「マイナス」として計算する。 + 長期借入金 ++ 借入による収入:プラス計算 ++ 返済による支出:マイナス計算 + 社債 ++ 発行による収入:プラス計算 ++ 償還による支出:マイナス計算 + 株式 ++ 発行による収入:プラス計算 --- = 資本金 + 資本準備金 ++ 自己株式の取得による支出 --- = 自己株式を取得する際の支払い金額 ++ 配当支払による支出:マイナス計算 ** その他 [#h5e4f902] + 支払利息 -- 営業活動によるキャッシュフロー区分で表示する方法と、財務活動によるキャッシュフローの区分で表示する方法の2つが認められている * 目次 [#t7ef6067] - B [[財務・会計]] - B-1 [[財務諸表]] - B-2 [[簿記の基礎知識]] - B-3 [[税務・結合会計]] - B-4 ''[[キャッシュフロー計算書]]'' - B-5 [[原価計算]] - B-6 [[経営分析]] - B-7 [[投資評価]] - B-8 [[資本市場と資本コスト]] - B-9 [[現代のファイナンス]] * 関連 [#p854da96] #related * [[用語集]] [#a4ccd17e] #taglist(tag=キャッシュフロー計算書) - 情報:[[支払いサイトとは?基本的な考え方やすぐに活用できるテクニックを解説! | 企業のお金とテクノロジーをつなぐメディア「Finance&Robotic」>https://www.robotpayment.co.jp/blog/billing-business/18133/]] 「支払いサイト」とは、取引における締め日から、実際に売上金額が支払われる日までの期間のことを指します。